☆おすすめ度
★★★★☆(4.0)
この本が好きそうな人・苦手そうな人
・雑学が好き
・動物が好き
・かわいい絵が好き
・(癒されたい人)
・図鑑が好き(細かい情報を知りたい)。
・体系だった説明が好き。
・役に立たない知識は好きじゃない
あらすじ(はじめに)
(前略)
魚だってほ乳類だって、地球上のすべての動物に、それぞれせつない事実があります。自分のしっぽを食べちゃう動物、鏡にうつった自分の顔がわからない動物、悲しくなんかないのに泣かずにはいられない動物……。
でも、この本を読んで、みんなに「かわいそう」と思ってもらいたいわけではありません。ただ、動物のことをもっと身近に感じてもらいたいだけ。動物どうし、だれだって友達になれるのだから。ときには友だちを食べちゃうこともあるけどね。
(せつない動物図鑑,ブルック・パーカー,ダイヤモンド社,p5,10~17行目より)
感想
本書は動物の雑学を紹介する図鑑に分類されるでしょうか。ですが、固いものではありません。
絵もソフトなタッチの、いい意味でとぼけた絵で、動物たちがつぶやく一言にはつい笑ってしまいます。
文章も非常に柔らかく、イラストも相まって子供と一緒に読んだり、絵本のような読み方もいいと思います。
紹介されている内容は雑学に分類されるものが多く、一般的な図鑑のような、情報を体系立てて説明するものではありません。
2004年に出版された「へんないきもの(著者:早川いくを)」に近いイメージですね。
私の印象では「へんないきもの」に比べ、より動物たちに近い子、供を見るような目線で描かれているように感じます。
「へんないきもの」のギャグの面白さとは、また少し違うタイプですね。
書かれている「せつない」内容は様々で、進化の過程で身に着けたものから、理由がよく分かっていないものまで。

身近な動物から、名前もほとんど聞かないような彼らの「せつなさ」は、どれも非常に魅力的です。
ミミズやハチ、タランチュラなどの苦手な人の多い生き物たちについても、読んだ後は少し優しい目線で見られるようになるかもしれません。
動物が好き、肩の力を抜いて読書をしたい、子供と一緒に読みたい、といった方には気に入ってもらえると思います。
ただ、図鑑のような全長、体重、生息地、生態などの細かい情報が網羅されているわけではないので、動物の詳細な情報を知りたい人には物足りない、かもしれません。
私は動物が好きなこと、雑学が好きなことから楽しく読むことができました。著者の目線は動物たちへの愛情にあふれていて、読んでいると肩の力が抜けてきます。
1ページ当たりの文章量も少ないので、忙しい人や本を読み慣れていない人も気楽に読むことができると思います。

この本を読んだ方が癒されたり、動物を好きになる・興味をもつきっかけになるかもしれませんね。
では、あなたが素敵な本との出会いに恵まれますように。
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